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2023.08.25カテゴリ01 CRISPRについてお話します✨

こんにちは、歯科医師の大田です!

 

今日は細菌の免疫機構、

CRISPRについてお話ししたいと思います。

 

CRISPRとは

Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats

(クラスターを形成し規則正しい間隔を持つ

短いパリンドロームリピート)

 

の略で、

原核生物でファージやプラスミドに対する

獲得免疫機構として機能している

DNA領域のことを指します。

 

原核生物は、侵入遺伝子の絶え間ない

猛攻撃にさらされています。

 

ウイルスは原核生物の10倍もいて、

2日ごとに世界の全細菌の半分を

殺していると言われています。

 

侵入遺伝子は土壌から海、

地球上で最も過酷な場所にまで存在していて、

原核生物にとって安全な場所などなさそうです。。。

 

CRISPR–Casは、

ヒトの抗体が感染後の長期免疫を

実現しているように、

特定の侵入遺伝子に適応してそれを記憶し、

時には排除します。

 

 

 

 

上の図のようにCRISPRは

リピート配列とスペーサー配列という

2種類のDNA配列の繰り返しによって

構成されていて、

スペーサー配列はそれぞれ特異的な

配列をしているという特徴があります。

 

 

 

 

CRISPRはスペーサー配列と相補的な配列を

認識、切断除去します。

 

めっちゃ複雑です。

 

ちなみに、この「CRISPR–Cas9」は、

遺伝子編集ツールとして便利なことから、

生物医学関係者の多くが

CRISPR–Cas系を使っていたりします。

 

バクテリアという単純な生き物が、

どうやってこんな高度な免疫機構を

備えたんでしょうね…!

 

皆さんのお口の中にたくさんいる細菌の

一つ一つがこんな免疫機能を持ってます。

 

面白いですね。